株主、投資家の皆さまへ
年次で業績・事業進捗、成長ビジョンなどを
お伝えします。

YEARダイジェスト
2021

ストック比率の向上とデータセンターの
コスト最適化で大幅増益。
デクノロジー・ファーストでさらなる成長を。

2021年12月期の取り組みと
成果について教えてください。

増収増益の要因はストック比率の向上とデータセンターのコスト最適化。米国株への投資意欲の高まりを受け、コア事業である証券取引会社向けソフトウエア開発も堅調に推移しました。

2021年12月期の売上高は、25億5,300万円(前期比21.0%増)。営業利益は2億8,700万円(同168.4%増)。当期純利益は1億8,900万円(同159.1%増)。成長戦略に基づく重点施策をしっかりと遂行できた1年でした。

増収増益で着地できた最大の要因は、ストック比率の向上と運用コストの最適化です。当社は近年、フロー収入(パッケージ製品販売と請負開発)を中心とした事業構造から、ストック収入(保守・運用収入とSaaS利用料)を中心とした事業構造へと、ビジネスモデルの転換に取り組んできました。それが実り、ノウハウが蓄積されたことによって、核となるデータセンターの立ち上げ・運用にかかわるコストを抑えることができるようになりました。同時にプロジェクトの管理体制の変革にも成功しました。

  • 売上高
  • 営業利益
  • 当期純利益

期初予想よりも業績が上振れした理由については、個人投資家の方々の米国株への投資意欲の高まりを受け、コア事業である証券取引会社向けソフトウエアの新規開発および拡張ニーズが増大したことがあげられます。証券各社が発信する情報が非国内株と同等に充実したものとなり、為替リスクの分析が容易になったことで、個人投資家を中心に、配当が高く、世界的な知名度を誇る米国の優良企業への投資意欲が高まったということでしょう。

新規事業については、日本初のオンライン免税ECサービス「Tax Free Online」のシステム提供を開始。リーガルテックサービス「スマート法律相談」(新バージョン)、クラウド EC プラットフォーム(SaaS 型)「Emerald Blue」、取引所シミュレーション・システム「SIMSTOCK(シムストック)」等の新規システムも予定どおりリリースいたしました。新型コロナの影響を受けて停滞しているサービスもありますが、当社は今期も、新サービスの発掘、新領域への挑戦を続けてまいります。

中期経営計画2022-2026について
ご説明ください。

テクノロジー・ファーストを遂行し、デジタル証券、仮想通貨、暗号資産、NFTをはじめとする次世代金融への転換に対応するため、優れたエンジニアの採用と育成に取り組みます。

5年後の売上目標は、金融システムを柱とする既存事業が49億円。非金融システムを中心とする新規事業は11億円を目指します。既存事業の重点施策は、テクノロジー・ファーストを遂行し、デジタル証券、仮想通貨、暗号資産、NFT、CFDをはじめとする次世代金融への転換に対応すること。それには優れたエンジニアの採用と育成が不可欠です。目標はエンジニアを210人に増やすこと(2021年12月期:90人)。IT業界は今、深刻な人材不足と言われていますが、当社なら不可能ではないと考えています。

なぜならトレードワークスは、誰もが最先端のテクノロジーを追求できるエンジニア集団だからです。たとえば今、デジタル証券のキーテクノロジーとして注目されているブロックチェーン技術もキュリオシティ(好奇心)の赴くままに掘り下げていくことが可能です。金融業界がテクノロジーファーストで生まれたこれらの概念の浸透によって大きく変わろうとしている今、その最先端で仕事がしたいと願っているエンジニアは決して少なくありません。

また、当社には、新卒・中途にかかわらず金融のしくみとリスクをじっくり習得できる環境、その時点で最も興味のある分野へキャリアチェンジできる制度が整っています。これは海外のシステムと互角に戦うために作り上げてきたことでもあります。そんな私たちの想いは、報酬や待遇よりもプライドとやりがい、居心地の良さを優先するエンジニアに必ず届く。そう信じています。

2026年売上目標 2026年エンジニア数

2022年12月期の見通しについて
教えてください。

コアビジネスで培ったノウハウと技術力で次世代金融の領域を切り拓き、3年後に新規事業の黒字化を達成する。そのための足場を固めながら増収を目指します。

2022年度は売上高30億円、営業利益2億4,000万円、当期純利益1億5,000万円を計画しています。既存事業については、今期も引き続きインターネット証券取引システムの開発に注力し、金融システム開発市場におけるシェアを拡大します。そして、このコアビジネスで培ったノウハウと技術力を、デジタル証券、仮想通貨、暗号資産、NFT、CFDをはじめとする次世代金融の領域へ展開します。

新規事業は、3年後の黒字化を目標にECプラットフォーム、AR・VRコンテンツ、AIサービスなどの分野への投資を拡大するため、今期は減益となる見込みです。2021年度にサービス・インをいたしました「Tax Free Online」「スマート法律相談」(新バージョン)「Emerald Blue」「SIMSTOCK(シムストック)」等については、新機能の開発とコストの最適化、事業者との資本・業務提携の強化を進め、アフターコロナのニーズ拡大に備えます。

新規事業のベースもインターネット証券取引システムの開発で培った技術力です。インターネット取引で何よりも重要なのは何があっても止まらないミッションクリティカルなシステムを搭載すること。当社はその点で絶対的な自信を持っており、安心・安全なシステムの提供を非金融の分野に拡大することによって成長できると考えています。

将来的には技術力で地方の活性化に貢献したいと考えています。昨年度、地方金融機関向けに提供させていただいたARコンテンツはその第一歩。アフターコロナの状況によって手段は変わるかもしれませんが、全国に拠点を持つ企業・団体に技術力を提供することによって地方への貢献度を高めていきたいですね。その足がかりをつくることも、本年度の目標の1つです。

  • クラウドECプラットフォーム 「Emerald Blue」
    「Emerald Blue」 イメージ図
  • 日本初のオンライン免税ECサービス 「Tax Free Online」
    「Tax Free Online」 イメージ図

株主、投資家の皆様への
メッセージをお願いいたします。

世界に通用するエンジニア集団となり企業価値を高めることが、株主、投資家の皆様のご期待にお応えすることと信じています。

自らの仕事に自信と誇りを持てる本物のエンジニアを集め、育て、チームとしての技術力を海外企業に負けないレベルにまで高めることによって企業価値を高める。それが私の使命だと考えています。企業のDX化がさらに加速し、メタバースに代表されるITトレンドを重視する大手企業も増えている今、エンジニアの育成に主軸を置く当社の成長戦略は地味に映るかもしれません。しかし、DXもメタバースも優秀なエンジニアが最先端のテクノロジーを追究するからこそ市場を拡大できるのです。

私たちは、10年後、20年後を見据えてエンジニア集団としての力を蓄えていくことが株主、投資家の皆様のご期待にお応えする最善の戦略だと確信しております。それを証明するため、優秀なエンジニアがつくる信頼性の高い金融システムと、それをベースに創出する新たなサービスで安定的な収益を積み上げてまいりますので、株主、投資家の皆様には引き続き温かいご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

IR担当が、日々のIR業務の中で
いただいた質問にお答えします

どのような証券システムがありますか
インターネット証券取引システムのTradeAgentをはじめ、不公正取引監視システム、ディーリングシステム、セキュリティ診断サービスなど幅広く扱っております。
詳しくは下記リンクをご覧ください。
https://www.tworks.co.jp/product/index.html
昨年末に中期経営計画を発表しましたが、その内容について教えてください。
1)中期経営計画で目指しているのは、どのような内容ですか。
当社は、2021年12月に永続的な成長の礎を築くための計画として、2022年12月期を初年度とする5ヵ年の「中期経営計画 2022年~2026年」を発表致しました。
5年後の最終年度には、売上高60億円、営業利益7億9,500万円の業績目標を掲げ、当社の基本方針である『情報通信技術で社会に貢献およびお客様の繁栄に寄与し、最も愛されるパートナー』であることを目指して事業に取り組んでまいります。
2)新規事業とはどのような事業ですか。今後どのような施策を行っていくのですか。
昨年より、クラウドECプラットフォーム、リアル×デジタル体験型店舗システム、オンライン免税ECサービス、AR/VRコンテンツなどの開発を手掛けてまいりました。
「次世代のデジタルコマースを創生する」をミッションとし、金融システム開発で培ったコア技術をベースとしたプラットフォーム/ソリューションの新たなビジネスを展新してまいります。
3)今後におけるコア事業について教えてください。
現在の証券インターネット取引システム領域でのシェア拡大を目指します。
次世代金融領域である暗号資産、デジタル証券、DeFi、NFT等のソリューション開発、ビジネス開拓を行い、新規ユーザ獲得によるストック収益比率の維持・向上をはかることにより事業拡大をする予定です。

参考資料 2021年12月28日 中期経営計画の策定に関するお知らせ
Yg3q.pdf (irpocket.com)
株式会社あじょを子会社化しましたが、その理由と今後の展開について教えてください。
当社は、金融システムを主軸として主に証券会社にシステム提供を行っております。
金融システムで培ったノウハウを基礎として、新金融分野、新規事業等に取り組んでいるところでございます。
株式会社あじょは、当社と同じソフトウェア開発会社であり、若手のエンジニア採用に長けた会社です。DXが加速する中、当社は人材の確保を毎年のように戦略として掲げておりましたが、株式会社あじょが当社のグループ会社となったことにより、今後技術交流や新技術の習得などの教育を進め、今まで以上の技術力やグループとしての開発力を高めて参ります。
その結果、当社の事業拡大にも大きく貢献していくものと考えております。

参考資料 2022年3月15日「株式会社あじょの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」
https://pdf.irpocket.com/C3997/bKSc/wddy/O45q.pdf
利用型・ストック型ビジネスの売上構成について教えてください。
収益の安定をはかるために、利用型・ストック型のビジネスモデルへの転換を推進して参ります。
株主還元についてはどのように考えていますか
現状の配当実績を基礎として、配当性向20~25%程度で継続的な配当実施を目指します。
配当に加え、自己株式の取得等の株主還元施策も、必要に応じて検討して参ります。