株主、投資家の皆さまへ
年次で業績・事業進捗、成長ビジョンなどをお伝えします。

YEAR DIGEST
2022

主力の金融ソリューション事業が堅調に推移して増収増益。
デジタルコマース分野のサービス展開と事業者との提携強化、
AI・IoTを活用した新サービスの開発でさらなる成長を。

2022年12月期の取り組みと成果について教えてください。

効果的・効率的な人員配置によって収益力が向上。
最先端技術を駆使したデジタルコマース領域でのサービスも開始。

2022年12月期の売上高は32億7,000万円(前期比28.1%増)、営業利益は3億1,800万円(同10.7%増)、当期純利益は2億円(同5.4%増)。中期経営計画2022-2026の初年度の当期は、期初予想を上振れで着地。中期経営計画の目標達成に向けて順調に推移しております。

増収増益となった主な理由としては、①株式会社あじょのグループ化により事業規模が拡大したこと。②外国株取引システムのためのシステム改善需要が高まり、金融ソリューション事業が1年を通じて好調に推移したこと。③効果的・効率的な人員配置によってプロジェクトマネジメント力が高まり、収益力が向上したことなどが挙げられます。

新事業の収益化に向けた事業者との提携関係の強化、AI、IoT技術を活用した新サービスの開発をはじめとする重点施策も着実に遂行。2022年3月には、新領域への進出による事業領域の拡大を目指して、IT技術を駆使した経営向上支援をさまざまな分野で手がけている株式会社あじょをグループ化しました。

また、5月には、大学発のスタートアップ企業リバーフィールド株式会社との資本・業務提携を締結。手術支援ロボット等の医療機器開発において当社の強みであるシステム・ソフトウェア開発の技術提供に向けて取り組んでいます。金融と医療は親和性が高いことで、今までにない視点でAIのリード技術を習得し、世界に通用するAIトレーディングシステムの開発を目指します。

6月には、メタバースソリューションの第一弾としてバーチャル空間で国政・県政・市政を担う方の活動を支援するサービス「広報メタバースソリューション」の提供を開始。
そして7月には、AI・メタバース等の最先端技術を駆使してデジタルコマース領域でのサービス展開を進め、その技術を金融システムにフィードバックするためにデジタルコマース事業部を新設。10月には、リアルとデジタルを融合した体験型店舗ライブマーケティングカフェ「AZLM CONNECTED CAFE manordaいわて店」へのシステム提供をスタートしました。その一方、キャッシュレス決済やインボイス制度に対応した新たなしくみ、システム化の検討にも着手しました。

近年の最重要課題となっている人材採用については、大型プロジェクトにも対応できる人材の育成を進めた結果、エンジニア数が2017年の上場時から約2倍増加。体制強化も順調に進捗しています。

2023年12月期の計画と重点施策について教えてください。

中期経営計画2年目として、事業領域拡大のための協業者との関係強化のための資本投資及び業務提携の推進が必要不可欠です。
金融ソリューション事業で提供しているシステム・サービスの
クオリティをさらに高めて投資分をカバーし、業績向上を目指します。

2023年12月期の位置づけは、業績拡大の継続、収益力のさらなる向上。中期経営計画は想定どおりのスピードで進行していますので、
(1)主軸事業の深耕、証券インターネット取引システムのシェア拡大
(2)新事業の収益化に向けた事業者との資本・業務提携の関係強化
(3)AI・IoT技術の利用やFinTechによる新しいサービスの開発
(4)働き方改革、人手不足解消、生産性向上策といった高需要領域への進出
この4つの重点施策を継続して進めてまいります。

デジタルコマース領域の新規事業をはじめ、2022年12月期にスタートした取り組みについては、2年後の黒字化を目指し、新たな知見とテクノロジーを蓄積して基盤整備をおこなっている段階。これまで手がけてきたECプラットフォーム、AR/VRコンテンツ、AIソリューションの横展開も含め、今期も積極的な投資と業務提携の強化が必要となりますので、主力事業の金融ソリューション事業で提供しているシステム・サービスのクオリティをさらに高めて投資分をカバーすることが業績向上のポイントになります。

中期経営計画に基づく今後の展望について教えてください。

新規事業の拡大のための最重要課題は人材の獲得と育成。
未経験者の積極的な採用と適性の見きわめ、適材適所への配置によってエンジニアを210名に増やし、技術力の底上げをはかります。

5年後の売上目標は、金融システムを柱とする既存事業が49億円。テクノロジー・ファーストを遂行してデジタル証券、仮想通貨、暗号資産、NFT、CFDをはじめとする次世代金融への転換に対応し、ストック売上比率を62.7%(2022年12月:51.2%)に高めます。
非金融システムを中心とする新規事業は、売上比率の4分の1にあたる11億円に設定しました。
中期経営計画の目標達成のポイントは、エンジニアを210人に増やすこと(2022年12月期:124人)です。

IT業界は今、深刻な人材不足と言われており、エンジニアの獲得競争は熾烈になっていますが、当社の採用計画は順調に推移しています。その背景には、自らの仕事に自信と誇りを持てる本物のエンジニアを集め、育て、チームとしての技術力を海外企業に負けないレベルにまで高めることによって企業価値を高めるという揺るぎない信念があります。それに基づき、近年は育成体制の強化を進めながらエンジニア経験のない人材も積極的に採用。真の適性の見きわめと適材適所への配置によって技術力の底上げを目指します。

企業のDX化がさらに加速し、メタバースに代表されるITトレンドを重視する大手企業も増えている今、エンジニアの育成に主軸を置く当社の成長戦略は地味に映るかもしれません。しかし、私たちの理念や方向性に共感して集まってくれた誰もが本当の能力を発揮できる環境だからこそ、新たな領域へ踏み出すことができるのです。今後は昨年立ち上げた採用専門チームを中心に、人数を増やすことに重点を置いた人材獲得・育成戦略を展開していきます。

株主・投資家の皆様へのメッセージをお願いいたします。

金融市場の発展に貢献できる先進的で信頼性の高い金融システムと、
それをベースに創出する新たなサービスで収益の安定化を図り、
エンジニア集団として成長を続けていきます。

株主様に対する利益還元につきましては、中期経営計画期間の株主還元方針に基づき、現在の配当水準をベースに配当性向で20~25% を目標にしております。
当社は、10年後、20年後を見据えてエンジニア集団としての力を蓄えていくことが株主、投資家の皆様のご期待にお応えする最善の戦略だと確信しております。それを証明するため、金融市場の発展に貢献できる先進的で信頼性の高い金融システムと、それをベースに創出する新たなサービスで安定的な収益を積み上げてまいりますので、株主、投資家の皆様には引き続き温かいご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

SUMMARY
決算サマリー

2022年12月期

OVERVIEW
数字で見るトレードワークス

エンジニア数

2017年(上場時)
58

2022年
124

女性社員比率

2017年(上場時)
16.9%

2022年12月末
19.1%

売上

2017年12月期
1,385百万円

2022年12月期
3,270百万円